インビザライン矯正治療の期間

インビザラインの治療期間については、症状によって治療期間は異なります。全体的な矯正の場合、基本的に2年から3年程度です。一般的にはワイヤー矯正よりも少し治療期間が長くなると言われています。その理由は、矯正装置であるアライナー（マウスピース）にあります。アライナー一つにつき、歯が動く距離は0.25ミリ程度に計算されています。そのため、1ミリ歯が動く期間には、単純計算で2ヶ月程度かかることになり、歯を大きく動かす治療では、どうしても期間がかかってしまうのです。また、注意したいのが、「保定期間」です。これは歯がもとに戻ろうとする「後戻り」を防ぐために、しばらくはリテーナーという装置を装着するものです。この期間が約1年程度で、合計で2年から3年程度となります。

上記でご紹介した通り、インビザラインの治療期間は、基本的に2年から3年程度です。しかし、症状によっては、それ以上の期間がかかってしまう場合もあります。具体的なケースをご紹介していきましょう。

矯正治療では抜歯を行う場合もあります。主に歯を並べるスペースが不十分な場合や、上下のかみ合わせに問題があるときに実施されます。抜歯するのは、あまりかみ合わせに関与していない第一小臼歯か第二小臼歯（中央から4本目・5本目）になります。ただ、抜歯をした場合、歯を動かすスペースは十分できるのですが、歯を動かす距離が長くなります。そうなると、矯正期間は長くなってしまうのです。この場合、ケースバイケースですが、インビザラインとワイヤー矯正を組み合わせることもあります。

叢生（そうせい）とは、いわゆる「乱ぐい歯」のことです。顎の大きさと歯の大きさのバランスがとれずに、重なるように歯が生えてしまっている状態です。軽い症状では、「八重歯」として知られています。八重歯のように一部分であれば、部分矯正で対応できる可能性もありますが、多くは歯列全体を動かす必要があります。そして、歯の重なりが大きいほど、動かす距離が大きくなるので、治療期間が長くなります。

インビザラインの大きな特徴は、マウスピースを自分で取り外しできることです。このことにより、食事のときには矯正装置が気になりませんし、歯磨きも容易に出来ます。しかし、一方で自由に取り外せることで、「つけ忘れ」や「つけるのが面倒」などというケースもあるようです。インビザラインでは、1日に20時間以上、2週間程度装着しなければ歯が十分に動かないこともあります。頻繁に外している場合は、治療期間が長引く可能性が高くなってしまうのです。

では、インビザラインの矯正治療期間を予定通りに終えるためには、どのようなことに注意をすればよいのでしょうか。具体的な注意事項とともに見ていきましょう。

「インビザライン矯正治療期間が長くなる場合は？」の項でもご紹介しましたが、インビザラインの矯正器具は、自分で外すことが出来ます。それは大きなメリットではありますが、注意点でもあるのです。基本的には、食事の時と歯磨きのとき以外は装着しておくつもりで、治療に望みましょう。装着時間が守れなければ、治療期間は長引きます。

インビザラインの治療では、マウスピースは自分で交換をします。それを忘れないのはもちろんですが、1ヶ月から2ヶ月に一度設定されている、クリニックでの定期検診も必ず行くようにしましょう。歯の動き方を見て微調整する場合もありますし、虫歯などのチェックもおこないます。検診を怠ると、治療計画に変更が生じて、治療期間が長引くこともあります。

ご紹介してきたように、インビザラインの治療で期間が長引く要因は複数あります。治療の前にクリニックでは、注意事項を説明してくれますので、必ず守るようにしてください。そうすれば、予定された治療期間で終了する可能性が高まります。