過蓋咬合が原因でインビザラインができない症例

過蓋咬合でインビザライン治療ができない可能性があるのは、先に顎の骨格の問題に対処しなければならない場合が多いことが理由です。

過蓋咬合を放置していると、顎関節への負担が大きくなることで顎関節症が引き起こされることがあります。もしインビザラインで歯並びを改善したとしても、顎関節症や顎の骨格を改善することはできません。

またインプラントに負担がかかりやすく、被せ物が壊れやすくなるというデメリットもあります。そのため過蓋咬合の場合は、インビザライン治療の前に過蓋咬合の治療を勧められるケースが多いでしょう。

過蓋咬合ではインビザライン治療を受けられない可能性もありますが、器具の装着が不可能というわけではありません。過蓋咬合でインビザライン治療を受けるなら、次のようなことに注意してください。

• マウスピースの長時間装着が必要であること
• 後戻りの可能性があること
• 医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性があること

過蓋咬合でインビザライン治療を受けると、マウスピースの装着時間が長くなったり、後戻りの可能性が高くなったりと治療の難易度が上がります。また薬機法の対象外となることから、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性もあり、万が一の際に守られなくなることも注意点です。

もし過蓋咬合でインビザラインの治療が受けられない場合でも、インビザラインの代わりとなる治療なら受けられる場合があります。どのような治療法が代替となるのか見ていきましょう。

ハーフリンガル矯正とは下の歯には表側に矯正装置をつけ、装置が目立つ上の歯にだけ裏側に白いワイヤー型の装置を設置する治療方法のことです。

ハーフリンガル矯正は過蓋咬合において確実性の高い治療方法であると言われており、インビザラインの非適応症にも適応することができます。

ワイヤー矯正とはマウスピースではなく、通常のワイヤー型の矯正装置を歯の表側に設置する治療法です。ハーフリンガル矯正が半分だけ歯の裏側に設置されるのに対し、ワイヤー矯正では上の歯・下の歯ともに歯の表側に装置が設置されることが違いとなります。

過蓋咬合だけが問題となっている場合は、通常のワイヤー矯正でも治療は可能だとされています。もちろんハーフリンガル矯正でも治療はできますが、もし矯正中の口元の見た目を気にしないとのことなら、ワイヤー矯正も選択肢の一つです。