歯ぎしりでインビザラインができない理由と代替治療

歯ぎしり癖があるとインビザライン治療ができない可能性があります。人間が歯を食いしばった時の噛合圧の平均は70kg程度、さらに睡眠中の歯ぎしりは500kg以上の力が顎の骨にかかっているといわれているのです。

これほど強い力がマウスピースに加わると破損してしまう恐れがあります。インビザライン治療を始めてから歯ぎしり癖に気付いたという方も中にはいます。

歯ぎしりによって破損してしまったマウスピースをそのまま使用すると、歯が思うように動かせません。それだけでなく、睡眠中に破損したマウスピースの欠片を飲み込んでしまう危険性もあります。

歯ぎしり癖がある人は絶対にインビザライン治療を受けられないのかというとそうではありません。歯ぎしり癖がある人でも器具装着できることもあります。治療を受ける際には以下に解説する注意点を押さえましょう。

歯ぎしり癖がある人がインビザライン治療を受けると、矯正用アライナーが割れやすい傾向にあります。矯正終了後につけるリテーナーが歯ぎしり癖で破損してしまった例もあるため、注意が必要です。

万が一破損してしまった場合は再作製しなくてはいけなくなります。通常の治療期間に加えて再作製の時間がかかるため、最初の治療計画で伝えられた期間よりも長引く恐れがあります。

歯ぎしり癖は簡単に治るものではないため、そういった癖を持つ人がインビザライン治療を受ける際は予定通りの期間で行うのが難しい可能性があると理解しておきましょう。

歯ぎしり癖があるためにインビザライン治療を受けられない場合には、大体の治療方法を検討してみるとよいでしょう。インビザラインの他にはワイヤー矯正、裏側矯正などの治療方法があります。

インビザライン治療では難しい症例でも、ワイヤー矯正であれば基本的に対応できます。ワイヤー矯正は歯の表面にブラケットと呼ばれる矯正装置を取り付け、そこにワイヤーを通し、ワイヤーが引っ張る力によって歯を動かす治療法です。

矯正治療の中でもっともスタンダードな治療法ともいえます。装置の取り付けや定期的な調整は歯科医師により行われます。インビザラインのように自分で自由につけ外しができない点は注意が必要です。

ワイヤー矯正は痛みを感じることもありますが、数日で軽減されるケースがほとんど。またこの治療法は見た目が目立つため敬遠する人も多いですが、歯と同系色で目立ちにくいワイヤーを通す「ホワイトワイヤー矯正」もあります。

裏側矯正とは、歯の裏側に矯正装置を取り付ける治療法のこと。ワイヤー矯正と違って矯正装置が見えにくいため、周りの人に矯正治療中ということを気づかれずに治療を受けられます。

ただし歯の裏側に矯正器具を取り付けるため、活舌に影響が出やすい点は注意しなくてはいけません。