受け口の症状がひどくてインビザラインができない理由

下の歯が上の歯より出ている状態が「受け口（しゃくれ）」です。専門用語で「反対咬合（はんたいこうごう）」や「下顎前突（かがくぜんとつ）」ともいわれています。見た目を気にして矯正を希望される人もいるのではないでしょうか。

受け口であると、正しい位置で食べ物が噛めないので、変な噛み癖がつきあごに負担がかかってしまいます。そのままの状態で噛み続けると、歯がグラグラになる、歯が欠けてしまう可能性もあります。受け口の原因とリスクについて解説します。

受け口の原因は、遺伝的なものが強いようですが、上顎と下顎の骨格的な発育のバランスの崩れなどもそうだと言われています。また、舌を前に出す様な癖があると下の前歯が押し出されて受け口の原因になることもあるようです。上顎と下顎が本来あるべき位置よりズレているので、「顎関節症」を引き起こす可能性が出てきます。

歯並びが悪いのでまっすぐに噛むことが難しいため、あごをずらしながら食べ物を噛まなければなりません。変な噛み癖がつきやすくなるで、あごがゆがんでしまう可能性もあります。受け口の噛み合わせの状態で食べ物を噛み続けると歯茎が下がり、歯茎が下がると歯周病になるリスクも高くなります

※参照元サイト：原田歯科クリニック
（https://www.harada-shika.jp/blog/archives/3549#:~:text=%E5%8F%97%E3%81%91%E5%8F%A3%E3%81%AF%E5%B0%82%E9%96%80%E7%94%A8%E8%AA%9E%E3%81%A7,%E7%99%96%E3%81%8C%E9%96%A2%E4%BF%82%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82）

受け口には「骨格性の受け口」と「歯槽性（しそうせい）の受け口」があります。骨格性の受け口は、下あごの成長に比べて上あごの成長が十分ではないこと。歯槽性（しそうせい）の受け口は、下の前歯が前に突き出ていることです。受け口が原因で「インビザラインができない」とされているようですが、歯槽性（しそうせい）の受け口であれば、治療ができる場合があります。

歯槽性（しそうせい）の受け口は、上あごと下あごの位置がズレているので、歯の矯正をするとインビザラインができる場合も。インビザラインのマウスピースを装着して歯を内側に戻します。これは軽度の受け口の場合に適用される方法です。

マウスピースで矯正ができないときは、ワイヤー矯正を併用することもあります。インビザラインは歯の平行移動を苦手としているため、はじめはワイヤーで矯正をして歯並びを整え、細かいところはマウスピースで整えていきます。最後の仕上げや治療工程の一部にワイヤー矯正を取り入れることもできるようです。

では、重度の場合はどうでしょう。骨格性の受け口は「ほとんどがインビザライン矯正での治療は難しい」とされています。なぜなら、骨格の問題なのであごの骨の外科手術が必要とされるからです。外科手術には「下顎骨切り術（セットバック法）」という方法があります。下顎骨切り術（セットバック法）は、下あごの骨を切除し、後ろにスライドさせてあごの位置を調整する手術法です。インビザラインを希望される方は医師と相談してください。

受け口の人も歯並びやあごの状態によってインビザラインは可能です。軽度の場合はマウスピースや、ワイヤーのみ、ワイヤー矯正と併用といった方法があり、重度の場合は外科手術を行います。手術は外科医と矯正医師の連携を取りながら実施される大がかりな処置になります。どのタイプが自分に適しているのかを素人が判断するのは困難なので、医師の診断に任せましょう。クリニックを選ぶときは、カウンセリングが丁寧なところがいいでしょう。