重度の顎関節症でインビザラインができない症例

顎関節は下顎の骨が動くときに使用する関節であり、下顎頭、下顎窩、関節円板からできています。顎関節は左右2つの関節を同時に動かしていますが、このような動きをするのは、身体の中で唯一顎関節だけです。

回転しながらスライドする複雑な動きをしており、顎関節がずれることによって様々な不具合が生じます。

顎関節症の原因として、顎関節を構成する関節円板の位置がずれることが挙げられます。関節円板がずれた状態が続けば、関節突起が変形し、以下のような症状が現れます。

• 物を嚙むときに痛みを感じる
• 口を開け閉じするときに顎に異音がする
• 口が開けにくい
• 顎が外れてしまう

顎関節症の原因としては噛み合わせが悪い、歯並びが悪いことも挙げられますが、他にも下記が原因となって引き起こされるとされています。

• 精神的ストレス
• 外傷
• 食いしばり
• 歯ぎしり
• 猫背
• うつぶせ寝

顎関節は複雑で壊れやすいものであり、様々な要因によって顎関節症が引き起こされることを認識しておきましょう。

重度の顎関節症だとインビザライン治療ができません。強引にインビザライン治療を行うことで、審美性や機能性の問題が生じることもあるため、注意しなければいけません。ただし、顎関節症でも症状が軽度であればインビザライン治療ができる場合があります。

また、矯正中に顎関節症を発症することもあります。矯正中に顎関節症を引き起こしてしまう理由は、歯が移動することによって一時的にかみ合わせが悪くなる、矯正治療に対する不安や痛み・違和感によってストレスを感じるためです。

矯正中に顎関節中になる可能性は低く、発症しても一時的なものであることがほとんどです。

顎関節症を治療すれば、インビザライン治療の対応は可能となります。重度の顎関節症であれば、まずは顎関節症の治療をしましょう。

顎関節症の治療方法は、マウスピース治療が一般的です。マウスピースによって関節突起への刺激を減らします。また、日常生活やストレスが要因となっているケースが多いため、自分自身で対応できるところは対応しましょう。

また、痛みに対しては消炎鎮痛薬を服用することもあります。専門医やカウンセリングを丁寧に行っているクリニックで相談し、自分に適した治療を相談しましょう。

顎関節症が気になってインビザライン治療を躊躇している人、顎関節症でもインビザライン治療を受けたいと思っている人は、まずインビザライン専門医に相談してください。症状によってはそのままインビザライン治療を行える場合もあります。

また、治療開始前にカウンセリングを丁寧に行っているクリニックに相談することも大切です。万が一トラブルになった場合を考え、医師から十分な説明を受けること、そして自分が治療について納得することが重要となります。場合によっては、セカンドオピニオンを検討しても良いでしょう。

矯正治療は歯並びを変えるだけでなく見た目の印象も左右します。リスクを正しく知り、納得いく結果が得られるよう、専門医がいるクリニックを探すなど自分でできることをしたいですね。